脱病院化社会―医療の限界 (晶文社クラシックス)

Limits to Medicine: Medical Nemenis, the Expropriation of Health
上記の翻訳書であるが、内容自体よりも文章がある時皮肉だったり、非常に難解である。1978 年、リハビリテーション学院の PT, OT 学生たちに原著を分担訳させた英語の教師には頭が上がらない。良書をご紹介下さった。
Limits To Medicine は、"医療化に歯止めかけよ"と言う意図であるし、"医療の限界"の訳語は適切ではない。それを差し引いてもよくこなれた翻訳であり、"脱病院化社会"のタイトルは良い。
医療が発達すれば、ある程度までは効用ありとしても、限度を過ぎれば限界効用は下がっていく。医原病がよい例であるが、著者の意図は、医療全体を 医原病的ととらえる。"痛みの効用"まで主張するから、現代医学のあらゆる側面に著者の刃は向かう。消費者すべて含み、むろん為政者が賢くなるようにと、 皮肉たっぷりに告発していく。
医療従事者すべてが読むべき本であると共に、社会人も、また為政者も読むべきものと Obama 大統領には Amazon.COM から贈呈申し上げた。
参考:
以下の自著のアイデアを、医療に適用してもいる。
脱学校の社会 (1977年) (現代社会科学叢書)
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